エネルギースタートアップを運営していると、太陽光事業者の方と会話することも多く、FIT後のビジネス展開だったり、今後の買取価格の変化、環境価値(非化石証書、グリーン電力証書、Jクレジット)の仕組みと価格についていろいろとディスカッションをする。
エナーバンクは需要家サイドの電力調達をサポートしていく立場なので、直接太陽光発電所を作ったり、保有したりすることはないが、エネオクのお客さんである需要家や小売電気事業者とのコミュニケーションの中で太陽光についての情報提供や意見交換も行っているので、太陽光関連のビジネス会話も比較的多く、マーケット感もある程度つかめてくる。
私は需要家視点を大事にビジネスを設計していくことにモチベーションがあり、これは過去の記事で論点を整理しているので今回は省略する。
なぜ今「需要家」が大事なのか No.002
特に最近多いのはPPA(Power Purchase Agreement)についての会話で、PPA事業の検討や補助金に対する感度が高まっているように感じている。
(用語メモ)
PPA:PPAは第三者保有モデルと呼ばれ、屋根などに太陽光設備を乗せるときの費用負担およびアセット保有者をサービス提供側で行い、需要家には屋根上で発電された電気を電力サービスとして契約するビジネス形態をいいます。
PPAもまた、需要家側に立ったときに営業サイドには見えづらい課題が多いと感じており、何気なくTwitterにこちらの投稿をつぶやいてみた。
最近、太陽光の事業者の方と会話してるとみんな同じ課題にぶち当たる。PPAやりたいんだけど、顧客がなかなか意思決定してくれない。国からは補助金が付いて盛り上がってきてるんだけど。今すぐに長期の契約を選定する理由を説明できない。皆さんどう営業してます!?
10件ほどの回答が半日立たずで返ってきた。少し紹介すると、
長期契約課題ですよね。土地が賃貸の人も多いし、そこまで事業継続してるかわからない人も多い。
長期契約期間に、その場所で自社が事業継続をしてるのかという問題。
産業用PPAは、もっとCO2削減の環境価値を国が推進して、事業者も意識しないと単純に電気料金だけでは提案厳しいのが現状かと😅
ただ、産業用PPAはみんな戦略を考えてるところですね🤔‼️
環境価値が高まる未来を想定して提案、、、ちょっと弱いですね😅
電気代削減になるというロジックで遡及することにおける、将来の電気代(再エネおよび燃調含む)が不透明という問題。反対に、PPAによって創出される環境価値が将来値上がりすることを想定してというコメントや。
金融商品をつくる。
保有形態を債権のような形で金融商品に組み込むことで資産の流動性を高めるというコメントだったりと。
アイデアとしていろいろ勉強になった。
ツイッターまとめサイト Togetterに見やすくまとめてるので全コメントに興味ある方はどうぞ
↓↓
https://togetter.com/li/1617779
皆さんのPPAへのTwitterコメントありがとうございました。呟きに10件ぐらいコメントいただけて勉強になりました。ざっくりとまとめると、
-
需要家の長期契約リスク低減
-
ファイナンス方法
-
環境価値の取り扱い
この3点がポイントで、それぞれどういう需要家に説明ができるかが普及に向け大事になってきそう。
PPAもまた事業者の目線と、需要家の目線の2つあるという点は、電力の自由化に似ていてサービス形態も分かれてくるだろうという感覚を持っている。
このあたり、もし詳しく話したい方がいればツイッターDMに連絡ください。
@muraken_enetech
まとまりきらなかったので、今回はこのへんで筆を止めるが、PPAの普及は小泉大臣もイチオシの脱炭素社会への政策になりそうなので、今後も動向とビジネスの可能性を追いかけていきたい。
●再エネ電力も調達できる国内No.1電力オークション「エネオク」
http://auctions.enerbank.co.jp/
●グリーン電力証書サービス「グリーンチケット」
https://www.greenticket.jp/
withコロナやafterコロナの新時代に、自らの戦場であるエネルギー・電力業界の変化をどう捉え、解像度を高めてアクションしていくかは、経営者・リーダーとしての技量が試されます。そういった背景において、「エネルギーテック経営者として今思っていること。」を日記形式で発信し、言葉を磨いていきたいと思います。 エナーバンク代表 村中 健一