代表村中がスタートアップと大企業の連携についてインタビューを受けました。

法人向け電力オークションサービス「エネオク」を展開する株式会社エナーバンクを訪問しました。2019年1月のサービスリリース以降、取扱額は順調に増加しており、顧客は中小企業を中心に工場、病院、スポーツ施設、オフィスビルなどが多いそうです。今回はエネルギースタートアップが大企業とどのようにコラボを考えているかについてインタビューしていきたいと思います。

事業の概要

株式会社エナーバンクは、現在、どのような事業を展開しているのですか?

村中さんエナーバンクが提供する「エネオク」は、業界初の法人向け電力オークションサービスで、全国の電力会社の中から最安値を見つけることができます。施設を保有する法人企業が「エネオク」に登録すると、電力会社が価格を入札し、リバースオークションの形式で法人企業の電力契約を落札する仕組みです。法人企業は「エネオク」を完全無料で利用ができ、エナーバンクは電力会社から成約ベースで仲介料をもらうビジネスモデルとなっています

 

利用料無料で電力が安くなるのはうれしいですね。何か工夫されていることはありますか?

村中さん「エネオク」は、Win-Win志向でサービスを設計しています。たとえば、電力を利用する法人企業は、「エネオク」サービスのマイページ上で電力会社が入札する価格が確認できるので、中立的で透明性のある電力調達を実現することができます。一方、電力会社は、従来、労働集約的に行っていた新規顧客の獲得が効率化されます。また、すべてがプラットフォーム上で行われることで、法人企業も電力会社もデータに基づいた意思決定を行うことが出来ます。

 

チャットの機能もありますね。どのように利用されているのでしょうか? 

村中さん「エネオク」の入札期間(2週間)に、入札した電力会社と法人企業は、チャットで交渉できます。面白いのは、必ずしも法人企業が、最安値の電力会社を選ぶわけではないこと。例えば、チャット内でピークカットや再エネ比率、照明のLED化対応などの提案が行われ、法人企業は様々な観点で電力会社を選ぶことが出来ます。

 

後の展開

株式会社エナーバンクは、今後、どのような方向を目指していきますか?

村中さんエネルギーというレガシーな業界でエネルギーテックを武器に業界に変革を起こしていきます。そのためには総務部門だけではなく、企業の経営者がエネルギーの課題を意識し、正しく意思決定をしていく必要があると考えています。私達は「エネルギーコミュニケーション」という”人と人”、”会社と人”、”会社と社会”が対話していくという新しい概念を世の中に広げ、企業におけるエネルギーの調達、再生可能エネルギーへの投資・導入、SDGsへのコミットメントの実現をサポートすることで、未来のエネルギーインフラを支えていきたいと考えています。

 

異業種への期待

異業種との連携も検討されているそうですが、協業や期待はありますか?

村中さん:大手企業との事業連携では、3つの期待があります。1つ目は、大企業が所有する工場や施設で「エネオク」をご利用いただくことや法人営業での協業。2つ目は、「エネオク」に集まる様々なデータから電力需要を予測するAIモデルの共同開発。3つ目は、環境面で持続可能な社会づくりを推進する支援ツールの企画、SGDsやRE100をコンセプトにしたキャンペーンの協業です。環境活動に対して積極的に取り組んでいる企業様たちと、一緒に活動できることを期待しています。